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2021-09-01

Fall Line 2022 vol.1

発売日:2021年09月02日
予価:1,430円 (本体1,300円)
判型:A4判
ISBN 978-4-575-45887-9

Cover Design:内田晶子 Akiko Uchida
Cover Photo:板倉淳夫 Atsuo Itakura
Snowboader:勝山尚徳 Hisanori Katsuyama
Location:Tanigawadake, Gunma, JPN

C O N T E N T S

「深山不言下自成蹊——深山もの言わざれど、下自ずから蹊を成す」
文=加藤直之 写真=中田寛也

加藤直之と山木匡浩。ただ気持ちよく滑るだけでなく、マウンテニアリングとしての総合的な充実感を追い求めている二人が、北海道深奥部にテントを背負って出かけた「気の合う仲間と登って滑って食べて飲んで笑って寝て過ごした」日々の記憶と記録。司馬遷の『史記』の一節からのオマージュという呪文のようなタイトルと、加藤のクライマーらしい文体にも注目です。

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「ある特別な一日」
文=藤田一茂 写真=布施智基、藤田一茂

「特別な日」になる予感もなく、春の遠足気分で山に登った僕たちは、今この瞬間にしかないと思わせる想定外の斜面に出会って言葉を失った。これはそんな、ある日ふと、幸運を引き寄せた仲間たちの物語。圧倒的迫力で迫る山岳景観と、ミスのできないラインを描くスノーボーダーたち。モノクロームに焼き込まれた写真の見応えと、ライディング中の一瞬一秒を丹念に再現した文章の読み応え。ある特別な一編になりました。

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「児玉 毅 × 星野佳路——それぞれの『地球を滑る旅』」
文=児玉 毅 写真=佐藤 圭

一貫してスキーに生きてきたスキーバカと、自分の仕事を全うする過程でスキーが大切だと悟った賢人スキーヤー。そんなふたりが、グッドコンディションに見舞われた「北海道パウダーベルト」の雄、大雪山旭岳を滑った。星野リゾート代表の噂のスキー熱と、後半に収録した4900文字の対談編は、スキー、スノーボードに関係なく、冬を愛するすべての人に読んでほしい保存版です。

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「佐々木明 Next Step」
文=寺倉 力 写真=菅沼 浩

映像作品「Akira’s Project」を終え、新たな目標に向かった走り始めた佐々木明の歩みを追う新たなシリーズがスタートします。その初回は多彩なシーズンを送る彼の知られざる活動にフォーカスしました。まさか「Fall Line」でアルペンスキーレースを語るとは、いったい誰が想像できたでしょうか。しかし、これが実におもしろい。これまたスキー、スノーボードの境目なく滑り手なら皆が楽しめ、誰もが「う〜ん」と唸るに違いありません。

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「旅の続きは、白き森のなかへ
——続・ロープウェーがなかった時代の八甲田山」
文=相馬浩義 写真=中田寛也

昨年、小誌ではロープウェイがなかった時代の八甲田山で、主要な役割を果たしたといわれる幻の「梅津ルート」をたどりました。今回はその続編。まるまる1日かけて酸ヶ湯温泉にたどり付き、そこを拠点に山を滑った先人達の、その先の行程に思いを馳せました。昨年版に引き続き、八甲田山ガイドクラブの相馬浩義が案内役を務めます。

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「川口 徹——ライダーがスキーを作るということ」
文=寺倉 力 写真=千葉 諭、布施智基

ある日、自らのスキーを開発する機会を得たライダーが、1台のニューモデルを完成させるまでのストーリー。スキー作り未経験の人間が、自らの思いをスキーに込めていきます。彼はどうチャンスを得て、どうスタートし、どんなプロセスを経たのか。ははぁ、スキーってこうやって開発するんだなとその流れの一端に触れつつ、川口徹のスキー愛と自然愛を感じていただければ幸いです。

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「ローカルを巡って——いまさらニセコ編」
文=石橋 仁 写真=中西隆裕

北海道に住みながらも、古き良き時代のニセコの思い出を大事に、20年以上にわたってニセコに背を向けていた石橋仁。そうしてやってきたインバウンド勢不在の豪雪シーズン。この機会を逃すわけにはいかないと、ついにニセコへと旅立った。大いに浮き足立ちつつ、高鳴る胸に身を躍らせてアクセルを踏み込んだのだった。

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「ある雪崩事故からの考察」
文=柴田勇紀 写真=松岡祥子

最高のコンディションに見舞われた2月の上旬、白馬エリアのとある斜面で大規模な雪崩が起きました。そのときの雪崩はリグループポイントまで到達し、ひとりのスキーヤーを半身埋没させています。プロライダーであり、スキーガイドでもある当人が、その日の一部始終を振り返ります。雪崩発生直後の迫真のショットも目を引きつけます。

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「ANTENA——ギア考察」
文=滝本倫生、竹尾雄宇、小路口稔、林拓郎、植木鹿一、古瀬和哉
道具選びには、その人が雪山をどう楽しみたいかが色濃く反映されます。フィールドに足繁く通い詰める滑り手がどんな観点でギアを選び抜き、どう使いこなしているのか。グローブ、ポール、バックパック、フリーライドビンディングのカテゴリーごとに、各人のこだわりをもとにした考察をとりまとめたコラム集です。

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■Columns
渡辺洋一「ストロベリー・フィールド・フォーエバー」
森山憲一「バックカントリーにおけるスマートフォンの効用」
中田 奨「ロケハン」

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