2017年6月28日 [Interview]  Matt Sterbenzーー4FRNT Founder

「真のライダーズブランド」の意味するところとは

Matt Sterbenz
マット・スターベンツ
フリースキームーブメントの初期に活躍。ブランドを立ち上げて15年。'16季は初来日し、念願のJAPOWを堪能した(写真真ん中、オレンジのジャケット)


編集部(以下編):アメリカ本国において4FRNTはどんなポジションなのですか?
マット・スターベンツ(以下マ):4FRNTはビッグマウンテンスキーのブランドです。そう認識されている大きな要因は、長くパートナーシップを築いているエリック・ヨレフソン(以下エリック)の存在が大きいです。
エリックと彼が求めるスキー、そしてスキースタイルはとても魅力的で、多くのファンがいて、影響力があります。
4FRNTには他にも、ソチ五輪金メダリストのデビット・ワイズやストリートを攻めるカム・ライリー、バックカントリーでパーク的な要素を絡めるワイリー・ミラーといった、フリースタイル色のスキーヤーもいます。ですが、やはりエリックの影響はブランドイメージにおいて大きいです。
そこに、カイ・ピーターソン(以下カイ)がチームに入った。それによって4FRNTのビッグマウンテンの世界観がさらに広がりました。
エリックはいま35歳、カイは25歳。10歳差があり、エリックとカイではファン層が全然違います。35歳のエリックは急峻な山々を自らの足で登り、滑りを映像に残して表現しています。カイはビッグマウンテンのコンテストシーンで活躍したり、トリックを織り交ぜたラインを描いています。
2人がいることで、ビッグマウンテンの捉え方に幅が広がり、多くの人たちに影響を及ぼし「4FRNT」のイメージが作られているのだと思っています。

編:シグネチャーモデルについて、ライダーはどのように関与しているのですか?
マ:まず、ライダーをソルトレイクシティにある我々のスキーの開発施設であるホワイトルームに呼んで、どうスキーを作っているのかを、実際に見て理解してもらいます。
その上で彼らがどんなスキーが作りたいかを、ヒアリングします。彼らのアイデアを形にしてユーザーへ向けて発信する。これがベースです。ホワイトルームから直接ライダーのアイデアを届けることが、ラボの存在意義だと思っています。
シグネチャーモデルを作るライダーとは、長期契約を結んでいます。会社として彼らのモデルで利益を得るわけだし、それはライダーにも還元していくべきだと考えます。オーナーシップ制を導入していて、利益の80%はライダーに渡り、会社に残るのは20%ですね。




オーナーシップ制により利益の80%がライダーへ


編:まさにライダーのためのブランドですね。
マ:プロスキーヤーはコンペや映像から離れた途端に人々から忘れられてしまいます。スポンサーが降りたら、趣味でスキーをする一般スキーヤーになってしまう。それは彼らのキャリアにとっては望ましいものではなく、フリースキーシーンにとってもあまり良くない。
4FRNTはオーナーシップ制をとることで、彼らのキャリアが永続的に続けられるのでは、というスタンスがあります。
それが結果として会社を成長させていくとも考えています。

編:なるほど。では、シグネチャーモデルはどのようにして作られるのですか?
マ:例えばカイのモデルはコンペ出場用に、3ヵ月で8モデルを作成し、9モデル目のスキーを履いて優勝したこともあります。
エリックも細かくアップデートするタイプで、1つのスキーを作るのに30モデルも作ることもありました。それが、結果としてよいもの作っていくんだと思います。
ただ、ライダーが要求することがすべて受け入れられることではありません。トップやテール、ウエスト、アウトラインなどのリクエストを全て受け止めると、計算的には不可能な板になってしまいます。
しかし、アスリートとエンジニアの合致点がないといいプロダクトにならない。ライダーの要求に近づけるために、エンジニアは緻密な計算をします。
なにを優先させるのかをライダーに理解してもらわなければならないこともあるし、エンジニアに妥協しないで粘ってもらうこともあります。そうやってライダーとエンジニアの間に私が立って、3人で十分に話をして作ることが、スキーを作るうえで効果です。
それは、ブランドを立ち上げた当時、自分がまさにライダーとしてスキー作りに携わっていた。その経験がいきています。15年間ブランドを維持してきたなかで、エンジニアやライダーのスタンスもある程度理解できるようになってきました。
それに、ライダーとユーザーのニーズは異なります。そのあたりの意図を汲み取り、ライダーやエンジニアへのリスペクトのもと、最終的な形は私が決断しています。
効率は悪いと思っていますが、だからこそいまの4FRNTがあるのだと思っています。


>17-18 4FRNT 注目のモデル


MSP 往年のオールマウンテンモデルが15周年を迎えた17-18季に復活。「MSP」とはMatt Sterbenz Promodelの略。


INTHAYNE L1P「Pleasure」でセグメントを獲得したセイン・リッチのプロモデル。長さやアウトラインとは裏腹に軽く取り回しやすいのが特長。少し横着に説明するとRENEGADEのツインチップ版とも言える


4FRNTSKI

コメントは受け付けていません。

カレンダー

2017年7月
« Jun    
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

最近の記事

アーカイブ

TWITTER

    過去ログ

    RSS

    BS.com Official twittar