2012年2月10日 HAKUBA SANOSAKA OPEN 2012 レポートby喜瀬圭太

先週、白馬さのさかで行われたHAKUBA SANOSAKA OPEN 2012。
その模様はRe-Ski管理人・モーリスによる写真と映像を交えた詳細レポートが間違いありません。リザルトを含め、そちらをチェックしてみてください。

ここでは、主催兼ジャッジである喜瀬圭太の視点からHAKUBA SANOSAKA OPEN 2012を振り返ってみましょう。

降雪のなか、始まった大会
前日は最高の晴れ!でも、当日は朝方からパラパラと雪が舞う状況。「弱いままなら大丈夫だけどな〜」と思いながら始まった大会。
大会前日のコースオープンに伴うトレーニングでは、気温が上昇しランディングバーンの所々には穴が空く等の事態が。ただ、大会当日は、雪入れと若干の水入れなどによって、前日よりいいコース状態で選手を迎えていたというのに…。
ちなみに、大会キッカーは、ノール15m、キッカー高さ2.8m、ランディングの斜度は32°です。

国内コンペシーン、ダブル時代が本格到来
はじめに大会の総評をすると、一番の印象は参加者のみんなが“攻め”てくれて、そして“魅せて”くれたこと。大会前日のコースオープンからやってきた選手も、「今シーズン初掛けなんです」
と言いながら、果敢にダブル軸のトリック(これ以降“ダブル”と表記)に挑戦していました。
その結果として、公式トレーニングを含めるとダブルバック、ダブルサイド、カンガルー、SWダブルロデオ900、SWダブルロデオ1080、ダブルコーク1080、ダブルコーク1260、、、昨季に比べ、本当に多くの人がダブル軸のトリックを繰り出していました。
さらに、「この人は(ダブルを)やってくるだろうな〜」と予想していた人“以外”にもダブルを出してくる人がいて、みな世界のシーンを見て、そして挑んでみよう!といった思いを持っているんだ、と感じました。

女子総評、基本を重視したスタイル

まずは女子選手から。ノーグラブだけど様々なトリックを繰り出すスタイルよりは、安定したトリックの中にメリハリの効いたグラブを入れる傾向に感じられました。正確なテイクオフがあるからこそ、柔軟にグラブへ対応できます。基本を重視したトレーニングをしてきた印象を受けました。ベーシックを大切にするからこそ、目指す先のトリックにも安定感が生まれると思います。今後への期待も多いに感じられる女子スキー部門でした。


優勝した萩野真由選手(上写真)。360withジャパン。「安定してたな〜」

ジャッジの評価ポイント
男子の注目は、やはりダブル。多くの選手が出してきました。
ハードといわれる、さのさかのランディングバーン(斜度32°)。特にスイッチランディングは難易度が高いだけにどれだけ安定し、クリーンなランディングができるのか、魅せられるのか、が勝負の分かれ目になったのではないかと思います。


ジャッジングは
1)ランディングバーンが荒れている
2)ランディングバーンが急斜面である
3)高難度トリックに関してはクリーンなランディングが難しい(厳しく減点しすぎると、特別、凄い事をしなくてもいい、と考えられてしまう懸念を考慮)
の3点を踏まえ、若干甘めに採点しました。

ただし、転倒関連では大きな差を付けます。

ダブル、SW1080、カービング抜け…個性溢れるトリックの数々

その結果、男子の優勝は昨季からコンテストでダブルを使いだし、海外へも出始めた遠山巧選手(上写真)。優勝トリックはダブルコーク1080。決勝2本目ではダブルコーク1260も出ましたが、“微妙”なランディングトラブルでしたが…。ただ、予選から出していたダブルコーク1080の安定感、グラブの長さ(グラブをしている時間の長さ)、そして高さは素晴らしいものがありました。


2位は期待の若手、歌川創志選手(上写真)。優勝した遠山巧選手と同じくダブルコーク1080、そしてダブルコーク1260を出していました。
「何が差となったか?」
と聞かれれば、高さ、そしてランディングへ向けての体の動きの落ち着き感。
ただし、トリック中の動き、そして身体能力の高さを感じるジャンプは今後の飛躍を感じさせます。


3位は表彰台常連の藤田サイモン選手(上写真)。
持ち技を際立たせるグラブ、そしてクリーンなランディング。完成されたSWトリックはダブルとはまた違ったスタイルを出していました。グラブの長さ、そして魅せるポイントの作り方は素晴らしいものでした。


4位は島立典敏選手(上写真)。
前日から練習に来てダブルをしていたのですが、練習中に負傷。ダブルは出さずとも、これまでにやってきたSWスピントリックの安定感は目を見張るものがありました。サイモン選手に比べるとややグラブの時間が短かった部分で差が出ました。それでもノリ(島立選手)ココにありは感じましたね。

5位に入ったのは上村俊介選手。
彼は大会の中でも異色のスタイルでした。キッカーにはカービングで入り、高回転ではなく低回転も出し、個性が溢れていました。スタイルを前面に押し出しても、大会では難度勝負が多いモノ。コンテストでは厳しい面もあるスタイルですが、見る人を惹き付けるアクションを評価する『HAKUBA SANOSAKA OPEN』はこの順位に食い込みました。“魅せる”部分では上位と遜色ない印象でした。

スキルアップの目指す先??
本当に多くの人がスキルアップ、そしてレベルアップをしていると感じました。世界を見据えた選手も増えて来た印象です。それは、グラブの変化やダブルといった世界の流れを取り入れる人が増えていたからです。ジャッジをする上では、エアの高さ、グラブの長さ、グラブの種類等に重点を置く形でした。特にグラブの長さには、ジャッジ全員が注目していました。

改めて思ったのですが、選手個々のコンテストへの価値感というのは違うのだなと。それは正直なほどパフォーマンスに表れます。
『コンテスト』を勝負と捉え、立ってなんぼと考えて戦った選手。『コンテスト』だからこそすべてを出していこうと捉える選手。魅せる部分を捨てず自分を出した選手。全てを兼ね備え、安定して自分のパフォーマンスを出した選手。

参加した選手それぞれに、自らに課した課題と戦っていたんだろうな〜、とジャッジをしながら感じました。

この場をお借りして、ご協力・ご協賛いただきました各社の皆様、大変な天候となってしまった中、最大限のコース維持をしてくれたコース係、並びに大会関係者の皆様、そして何より参加して下さった選手の皆様に感謝の意を評し、本当にありがとうございました。

喜瀬圭太 
きせっちのブログも http://ameblo.jp/h-shuraku-kise/

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