2019年12月17日 滑り手と撮り手、編集者が語る 『南魚沼市 移住コンシェルジュ』の模様

日本屈指の豪雪地帯である新潟県南魚沼市は、この地ならではの積雪と自然が多くある。その魅力を県外の来訪者にも体験してもらおうと様々な取り組みを行っている。

先日の11月16日と12月7日の2度に渡って渋谷のイベントスペースで行われた、「南魚沼市 移住コンシェルジュ in 東京」もその一つだ。今年の6月に刊行されたフリーペーパー「雪ふるまち」の編集者・登場人物らが登壇して制作ストーリーを織り交ぜながら、南魚沼のスキー・スノーボード環境について語るトークイベントになっている。このイベントの来場者を対象に八海山バックカントリーツアーや酒蔵などを巡る観光ツアーの参加者も集っている。参加にあたり、交通費を1万円まで補助してくれるという、なんとも良心的なサービス付きだ。このイベントに南魚沼市で生まれ育った、BRAVOSKI編集部の小野塚が取材した(記事内に出てくる小野塚彩那さんとの血縁関係はありません)。


発起人は南魚沼移住促進委員の永井拓三(ながいたくみ)氏。自身は東京生まれ東京育ちで、大学進学をきっかけに新潟を訪れた。そのときに感じた、南魚沼の風土、人、そしてスノーボードの楽しさに憑りつかれ、移住を決めたという。いわゆる県外からの移住は「iターン」と呼ばれ、当事者の彼だからこそ伝えられる雪国の趣が数多くある。


11月16日の「スキーの回」では、南魚沼市出身で平昌五輪スキーHP女子銅メダリストの小野塚彩那やBRAVOSKI編集長の小川尊、夷(えびす)フィルムスの関口雅樹が登壇した。HP競技引退後もフリーライドワールドツアーや撮影などで世界を飛び回る小野塚は、今も南魚沼に住む。そんな彼女からは、東京から新幹線で1時間半、クルマなら関越道で120分というアクセスの良さや地元食文化(米やお酒)の素晴らしさが存分に語られた。

撮影や取材で全国各地を滑る小川と関口は、南魚沼の秘めたる雪質の特徴について言及した。確かに気温が高い日や春は軽雪に出合うことは少ないが、寒気が流れ込めば豪雪地ならではの積雪と北向き斜面の組み合わせが他県に引けを取らないという。また、水分を多く含んだ雪はパーク造設に適しているので全国屈指のパーク文化が根付いていることを指摘した。それは世界で活躍する小野塚を輩出したことが裏付けている。

左から永井、小川、小野塚、関口


12月7日の「スノーボードの回」ではDIGGIN’MAGAZINE編集長の小林大吾、BACKSIDE MAGAZINE編集長の野上大介が登壇。小林は地元スノーボーダーの関口敬と石坂亮が巻機山の、急斜面を追い求める話を取材した。地元の、見慣れていたいつもの山にあるいつもの斜面が、いつしか「あそこを滑りたい」という欲求に変わっていた。そこは、彼らが今まで滑ってきたなかでも一段と急峻で条件の難しい斜面。山頂付近の標高2000mまでハイクアップしなければならないうえに、日が差し込むとすぐに雪が重くなってしまう。そのためには前日から山頂手前の山小屋に泊まり込む必要があり、好条件に恵まれる機会は両手で数えられるほどだ。

結果を言ってしまえば、その斜面を滑るという2人の目標は達成できなかったのだが、これからも続く二人の挑戦に期待がかかる。


南魚沼は滑り手が育つだけの土壌があるだけでなく、海外からも徐々に注目が集まっている。野上がインタビューした、スノーボードHP競技の第一人者だった、アンティ・アウティもその一人だ。日本が好きで、毎年来日してはニセコや白馬を滑ってきたアンティは、’13シーズンから南魚沼を頻繁に訪れるようになった。その理由と思いを冊子でこう語っている「僕は南魚沼を本当に愛しているよ。先ほども言ったようにシークレットスポットが多く存在していることが一番の理由なんだけど、アルパインエリアからツリーランまでバリエーション豊富なフィールドが魅力。(中略)上越国際ではW杯にも出場したし、石打丸山ではニッポンオープンに出たんだ。このエリアのゲレンデは全体的に地形が面白いと感じているよ」昨季は南魚沼だけで映像をまとめあげた「YUKIGUNI」というエディットを製作するに至った。(映像リンクはページ最下部)

左)小林大吾 右)野上大介


南魚沼市内には10ものスキー場があり、それぞれに特色がある。朝イチがオススメのスキー場もあれば、ナイターが面白いスキー場もある。パウダーが良い場所もあれば、地形変化が豊かな場所もある。市内の端から端へは1時間もあれば到着するので、その都度スポットを変えられる。一つ一つの山のスケールは海外の山々に比べて大きくないものの、街と滑る場所がコンパクトにまとまっているのだ。滑り手にとって選択肢が豊富なことは喜ばしいことだ。それだけ多くのスポットがあり、飽きることがないのだ。これほどスキーをするのに適した場所は全国を探してもそう多くはない。関東から一番近い「雪国」として、これからの発展が楽しみでならない。


トークイベント後には登壇者を交えた懇親会に


6月に刊行されたフリーペーパー「雪ふるまち」。現在は配布終了となっている


雪ふるまち 映像版


アンティ・アウティの作品「YUKIGUNI」

コメントは受け付けていません。

カレンダー

2020年1月
« Dec    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

最近の記事

アーカイブ

TWITTER

    過去ログ

    RSS

    BS.com Official twittar